5)受雷部システムの保護範囲 |
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5.1)対地放電(雲−大地間の雷撃)の雷撃点 |
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対地放電(雲−大地間の雷撃)の雷撃点は、捕捉放電(以下ストリーマと呼ぶ)のスタート点によって決定される。雷雲から地上に向かって進む先行放電(以下ステップド・リーダーと呼ぶ)によって、地上の電界強度は定常的に増大する。ステップド・リーダーが地上部物体に数十m又は数百mの距離に近づき、地上電界強度が十分に高まると、ストリーマがスタートし、ステップド・リーダー先端に最も近いストリーマが雷撃点を決定する。 |
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5.2)雷撃距離 |
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ストリーマの出発点から、このストリーマが出発したときの、ステップド・リーダーの先端の位置までの距離を雷撃距離又は、最終雷撃距離と呼び、受雷部システムの保護空間に直接影響している。最終雷撃距離rは、当該構造物の形状、種類に殆ど関係なく、傾向として物体の高さとともに増大することが分かっています。ステップド・リーダーの先端が、地上の物体に影響されることなく任意に接近し、その先端から最短距離にある物体からストリーマが発生するという仮説を用いて、架空地線及び送電鉄塔の保護効果を説明する「電気−幾何学モデル」が紹介された。 |
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これは、誤差のある統計に基づいているため、「電気−幾何学モデル」がすべての受雷部システムに適用出来るかどうかについての明確な証明はないが、従来知られている全ての落雷現象を、例えば、高層ビルディングの側撃雷なども含めて説明することができ、可能なあらゆる受雷部システムに対して、定量的な予測のできる唯一の保護空間理論を提供している。 |
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「電気−幾何学モデル」の原理は、古くからヨーロッパ圏で採用され、有効性が実証されている。(文献では、例えば、既に1962年以来ハンガリーで、全ての建物に適用される雷保護規定に採用され、有効性が実証されている。と記載) |
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最終雷撃距離rは、ステップド・リーダー先端の電荷量に依存している。比較的小さな雷電流のステップド・リ−ダーは、比較的大きな雷電流のステップド・リーダーよりも地上物体に近い距離まで接近することを意味している。受雷部システムの保護効果に対する要求が高くなるほど、その設計において、より小さな雷電流を考慮しなければならない。 |
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JIS A 4201:2003では、保護空間責務に対して考慮すべき雷撃距離とその雷の発生確率を表09のように規定している。ここでは、規格には記載されていないが、保護レベルT〜W以降の最終雷撃距離rを参考として示す。 |